商慣習に関する最高裁判決に際して思うこと

久しぶりのブログになってしまい、失礼しました。

震災から4カ月が経ち、災害時の住宅の供給等についてさまざまな課題が出てきました。
建てて短期で解体してしまう仮設住宅だけでなく、既存の民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅とする策も本格化して、賃貸住宅が非常に社会資本として大きくクローズアップされています。

一躍注目を集めている賃貸住宅ではありますが、一方で、従来の商慣習に対して「消費者契約法」の下に争われるほど、社会的にも反発を受けています。
そんな中、皆さまもご存知のとおり、「敷金の敷き引き(定額精算)」と「更新料の可否」をめぐる裁判で一つの結論が出ました。
両裁判とも、貸主勝訴。
業界に安堵が広がったのは言うまでもありません。

さぁ、ここからが問題です。
多くの方は、今回勝訴したものの、貸主劣勢の状況にある今、今後も取り続けられるとは思っていないのではないでしょうか。
特に更新料については、私が聞いた範囲では「様子見」というスタンスの人が多いようです。
本格的に「更新料不要」に切り替えざるを得ない状況になったら、切り替えるという考えでしょう。
ただし、「様子見」と言いつつ「先送り」にしていてはいざ切り替えるときに大変です。
これまで更新料を取っていた地域では、不動産会社も家主も大きな収入源になっていましたから、取れなくなるときに備えて新たな収入源を考案する必要があります。

貸主側のコスト負担が増大している中で、新たなビジネスモデルを構築する必要があるかもしれません。

その一つとして、業界団体として、更新料を不要とする分、家賃に乗せることを取り組めないものかと思うのです。
今、日管協が「めやす賃料表示」(家賃・共益費・管理費・礼金・更新料を4年住んだ際の月額負担)に取り組んでいて、トラブルを防止するための一つの策としては一定の評価を得ています。
ご担当された方たちは表示制度を確立するまで大変な苦労をされたと思いますが、ただ、4年分という前提が特に単身者向けについて時代に合わないですし、4年住まない場合は結局どうなのか?というのがわかりにくい。やや中途半端な印象があることは否めません。

これまで設定していた契約時の諸々の費用や管理費・共益費すべてを家賃に含めて表示することは、本当に不可能なのでしょうか。
無論、日管協だけでなく、全宅や全日などの団体と共に進めていく必要があります。
業界団体のさまざまなしがらみもあるので、一筋縄ではいかない問題であることもわかります。

それでもやはり、業界に対する不明点をクリアにしていくことが、消費者の信用獲得につながり、賃貸住宅市場活性につながると思うのです。

本当にわかりやすい表示は家賃にすべて含まれていること。家賃を上げられない時代だからこそ、業界が手を組んで、取り組む必要があります。
そのときに本当に想定通りの家賃アップが図れるかどうかは、やはりその建物の価値によるのではないでしょうか。

今後の市場の動向について、どのくらいのスピードでどんな方向に進むのかは正直よく見えません。
だからといって、時代の流れに任せるのではなく、自ら変わる力を業界団体はもちろん、各不動産会社、家主には発揮していただきたいものです。