統計のとらえ方

昨日、家主さん向けセミナーの講師を務めました。
セミナー後にはいくつかのグループに分かれて、講師が時間ごとに各グループのテーブルを回り、聴講者といろいろ話せるタイプの懇親会を行いました。

そこで、出てきた話ですが、聴講していた家主さんから質問がありました。
「榎本さんがいいと言って見せたこの洗面台おしゃれだけど、シャワーついていないよね。今シャンプードレッサーが当たり前なんでしょ、これで決まるの?」

確かに弊社が毎年企画している「設備ニーズランキング」でも「独立洗面台」というアイテムが上位にランクインしています。
セミナーでもそのランキングを紹介しましたが、「シャンプドレッサー」と言った覚えはありません。
なぜ、そういう質問になったのでしょう。

新築の多くはシャワー付きが多いからでしょうか。
それとも、不動産会社からそういう話を聞かされたのでしょうか。

確かに、家賃が同額で、シャワー付きがいいか、ない方がいいかと言われれば、ないよりあった方がいいに決まっています。

でも、シャワー付きの洗面台がなければ、その賃貸住宅が選ばれないわけではありません。
どれほど、洗面台の機能に対する要望が大きいというのでしょうか。

入居者が魅力に感じる何かがあれば、決まる物件は決まるわけです。
なぜ、そんなことがわからないのだろうと不思議に思います。
いえ、この家主さんに限った話ではないのです。
シャンプドレッサー以外でも、何か一つの統計や事象を知った人から、こういう似たような質問や話を聞くことはままあります。
「今は〇〇の設備が必要な時代でしょ?」と。
家主さんだけでなく、不動産会社、建築会社からも聞くことは少なくないです。

最近賃貸住宅に関するいろいろな統計が、弊社に限らず、さまざまな企業や団体、官庁で行われて発表されます。
その統計を参考にすることは重要ですが、鵜呑みにすることは危険だと思います。

業者側は戦略があって、統計データを利用することがあります。
家主はその点も含めて、分析する必要があるでしょう。

本当に大事なことは、「入居者が快適に住める部屋であるか」ということを考えることです。
設備だけがすべてと考えるのは、正直貸し手側の論理にすぎません。

もっともっと、今の賃貸入居者の声に耳を傾けてみて下さい。
時代の変化に目を向けてください。
そして、感じ取ってください。
いろいろな気づきがあると思います。