賃貸管理業は激動時代へ(2014年3月28日)

賃貸住宅管理会社とはどんなビジネスをする会社なのか――。

10年前、全国賃貸住宅新聞の担当になった私は当時、賃貸住宅管理会社とは「オーナーに代わって家賃集金をしたり、入居者対応をする会社」と上司から教わりました。

さて、現在はどうでしょうか。
家賃集金は銀行振り込みが主となり、滞納が発生すれば家賃債務保証会社が督促してくれます。
入居者からの問い合わせやクレームなどの対応も24時間対応コールセンターを備えた緊急駆けつけサービスの会社が対応します。

つまり、これまで行ってきた賃貸管理業務について、ほとんどの会社がアウトソーシングしているのです。

ならば、管理会社は今何をしているのか。
管理物件の空室対策です。
リノベーションを積極的に提案する管理会社が増えているのは、空室対策として効果が高いからです。

ところが、管理会社はもともとオーナーに代わって家賃集金や入居者対応の経験やノウハウを強みとして伸びてきたわけで、その柱である業務をアウトソーシングするということはその時点で、参入障壁を下げてしまっていることになりかねないのではないでしょうか。
正直リノベーションであれば、管理会社が提案するよりも直接リノベーション会社が提案した方がオーナーとしては、内容やコスト面でもメリットを感じるでしょう。

それでも、これまで管理ビジネスに参入する周辺業者が少なかったのは、オーナーとのパイプがなく、管理会社を通じてでないとオーナーもしくは入居者に自社のサービスを提供できないという弱みがあったからです。
それが逆に今の管理会社の強みになっています。

ただ、最近、業界に激動時代到来の兆しを感じます。
年明けてから異業種からの賃貸管理ビジネスの参入が顕著です。
リノベーションや24時間駆けつけサービス、福利厚生サービスなどの分野の会社が管理業務サービスの提供を開始しています。
資本力のある会社は管理会社を買収していますし、資本力がないベンチャー企業はネットの力と若手オーナーの台頭を追い風に直接オーナー営業をするようになってきました。
何せ、自主管理オーナーの方がまだ管理委託オーナーよりも多いのですから、その市場だけを狙っても大きな勢力になりうるわけです。
しかも後発企業は、「管理料ゼロ」などの奇襲攻撃をしかけています。
彼らにとってみれば、本業でない管理でフィーをとらなくても、自分たちの本業である周辺のサービスでフィーを受け取れればいいのです。

管理会社はウカウカしていられなくなるでしょう。

最近よく耳にする「建物管理から資産管理へ」という考えでオーナーへ相続コンサルをすることは管理会社の新機軸としていいと思います。
ただ、私は、賃貸管理すらきちんとできない会社に、やはりオーナーは相続の相談をしないと思うのです。
まずは、本業の賃貸管理をきちんとやっていかないと、いつの間にやら異業種の新規参入企業に管理を持って行かれるということになりかねません。

個人的な考えですが、リノベーションはオーナーへの費用負担も大きいがゆえに今後の差別化対策として実行できなくなるケースが増えてくると思います。
そうなったときに、管理会社は管理物件に対して何で差別化を図っていくのか。
私は、賃貸管理だと思っています。
賃貸管理といっても、家賃集金や入居者対応以外に、もっとやれることがあります。

意外にそのヒントは自主管理オーナーや小さな管理会社の取り組みに隠されているかもしれません。

地場である程度の管理を受託している管理会社こそ、一度、これからの賃貸管理について考えてほしいです。
そのことこそが、これからの賃貸住宅市場の活性化につながっていくと思います。

以上、今回はやや辛口ですが、管理会社の皆さんに頑張ってほしいと心から願って書いたブログでした。